トピックス
施設に入居されているTさんが主宰する水墨画展が「ギャラリーしくら」で行われました。
毎年多くの生徒さんと展示会を開催されていましたが、昨年末、脳梗塞から重い麻痺が残り治療やリハビリで大変な時期を過ごされ「今年の展示会はいけないかもしれない」と半ばあきらめていたそうです。しかし、ご本人やご家族の努力の甲斐あって、無事退院され、展示会初日に顔を出すことができました。
会場に入ると多くの生徒さんから「先生」と呼ばれ、闘病やリハビリの大変さをねぎらわれていました。照れくさそうにしながら作品を眺めるご本人の姿がとても印象的でした。
左半身の麻痺は重く、今後もさまざまな支障が予想されますが、ご本人は「来年の展示会に作品が出せたら」と前向きな目標を語っておられました。本当につらく厳しい現実があるなか、あきらめず挑戦しようとする姿勢に胸を打たれます。これから多職種で、できる限りのサポートをしていきたいと思いました。
4月4日に始まりました新人研修が、15日金曜日のグループディスカッションと座談会でようやく終了しました。
「看護、健康管理」「アセスメント」「倫理」「就業規則」「福祉用具」などの充実した講義から始まり、高齢者体験や入浴介助の体験、地域の奉仕活動など体を使った実習を経て、他部門研修まで行いました。
毎年恒例となったこの3週間の新人研修は、一コマ一コマがみっちりで、新人のみなさんはとてもつらく、長く、本当に大変な3週間だったでしょう。しかし、1年後2年後に必ず「あれはつらかったなあ」とか「あれを耐えられたから」と必ず前向きに思い出すことになります。座談会でも1年前に同じ3週間の研修を経た先輩方から「去年の私たちは」と頼もしい経験談が語られてましたから。
サンライフの新人研修の良さは、講師役をリーダーや管理職だけでなく、1~5年目の先輩たちが担うところにあります。60分~90分のコマを担当するというのは本当に緊張するもので、与えられた講座のテーマをしっかり考え、資料をつくり、練習しなければなりません。しかしみんな「新人のみなさんのために」と仕事の合間をぬってつくりあげていました。オープン講座にしたので、新人以外も聞きに行くことができるので何コマか参加させてもらいましたが、多くがとても考えられたなかなかの講座になっていました。
これだけ集中してみっちり学ぶ時間というのは、この時期だけです。しっかり復習して、所属部署で実践できるよう頑張ってください。
そして来年は、もしかしたら講師になっているかもしれませんよ!!!
先日、介護付き有料老人ホームに入居されている方(要介護5の方)のご家族が結婚式をされることになり、
「ぜひ本人にも参加してほしいのですが、式や披露宴に付添いしてもらえませんか?」とご依頼をいただきました。
今までなら様々な状況(リスク)を考え、躊躇していたかもしれませんが、「QOLの向上」「ご本人、ご家族の望みの実現」を方針として抱えている以上、お断りするわけにはいかない!!とお引き受けし、3月のとてもお日柄の良い日曜日、結婚式と披露宴の付き添いをさせていただきました。
結婚式、披露宴という人生でも何度もない素晴らしい門出に出席されるということで、きらびやかな衣装を着こなされ、ご本人もご家族もとても嬉しそう。そういえばこの日を迎えるためにリハビリでも弱音を吐かず、立位訓練をされている姿が浮かんできました。
ご両家のあいさつや、親族との久しぶりの対面などいつも見せないしっかりとした表情や言葉を発せられて、これ以上にないリハビリ!!と感じる場面の連続でした。本当におめでとうございました。
サンライフでは今後も、QOL向上のため、ご本人の望み、願いの実現に(できるかぎり)サポートしたいと思っています。
3月27日に第21回となる運営懇談会を開催しました。
ようやく暖かくなった土曜日のお昼前、お休みのところたくさんのご家族が来てくださいました。ありがとうございました。
さて運営懇談会。毎年趣向を凝らした内容にしておりますが、
今年も「昨年サンライフで看取った方のご家族による経験談」をメインに、
「サンライフ特製お弁当をご家族と一緒に」
「ご本人と職員とでグループディスカッション」などの企画も加え、2時間の長丁場でしたが、充実した交流や意見交換の場となりました。
定例報告では◎要介護度の改善や維持の報告(リハビリテーションの効果)や、◎虐待研修による職員の質向上の取り組み、◎平均入居期間やQOL企画など様々な現状報告もさせていただきました。いずれの成果も集まっていただいた「ご家族」のご協力のおかげです。
看取りの経験談では、サンライフで最期を迎えた数日のケアや治療の内容が詳細に報告され、生々しい内容もあり少し心配でしたが、何人かの方より涙ぐんで「感動した」と感想をいただきました。
これまでも16名の方がサンライフの居室で最期を迎えられました。看取り支援はこれから更に充実させていきたいですが、それ以上に「ご本人の望むこと」「QOLの向上」にも力を入れたいと思いました。
多くの入居者が様々なリスクを抱えられていますが「望みをかなえる支援をする」ことの大切さを感じており、これまでに「好きなものを食べる」「実家に帰る」「学生時代の同級生に会う」「孫の結婚式に出るなど」・・・リスクにより叶えられなかったご要望にもチャレンジするようになっています。
今回のようにご家族と強い信頼関係を築き、最期の生活の過程で何が重要なのかを共有しながらも、積極的にチャレンジしていく支援を目指したいと思ってます。
*ちなみに今回の懇談会は春のたけのこご飯弁当で、とても好評でした。厨房スタッフのみなさんありがとう!!
毎月恒例の勉強会。今月は介護職で心理相談員でもあるNさんの報告。
認知症の家族支援を通じて考えるご家族の心のケアについてでした。「ケアラー」という言葉をご存知の方いらっしゃいますか?我々は当事者に加え、時にそれ以上に家族(=介護者)をケアする場合があります。
ケアラーとは=無償で介護や世話をする人、例えば子育てする母や、障がいのある方のご家族などで・・・高齢者の介護者に通じるところがあります。
今回、認知症の当事者の心理的プロセスと、その介護者の心理的プロセスを照らし合わせ、グループディスカッションで、それぞれが抱えるケースの経験を発表しあいました。
発表者からは「母の認知症にどうしてもイライラしてしまう。怒りがあきらめになった。自然と理解や受容の境地になった・・・」という相談支援を続けた事例が出され、介護者への共感の大事さが伝わってきました。
地域では、様々なケアラーがいます。職員のなかでも家に帰れば「ケアラー」になる人もいる。
サンライフが地域に開かれてそんなケアラー同志が集い吐き出せる場所になれたらと思いました。
いいテーマをありがとうNさん。成長を感じました。